昨年もご紹介しましたが、11月28日に日本大学文理学部の安井真也教授が進めておられる浅間山周辺の地質調査の見学の機会がありましたのでリポートいたします。
この調査は浅間山周辺の各所を数メートルの深さまで縦穴を掘り地層を観察することで過去の火山活動の様子を観察、推測するという手法で行われています。今回はその24個ヵ所目の調査ということで軽井沢町長倉の太郎山下部のからまつ林で行われました。


安井先生によりますと、水が溜まっている最下部は約25000年前の黒斑火山崩壊により生じた岩屑なだれによる堆積層であろうとのことです。この堆積層には直径1mを超える大石も沢山含まれており、この岩屑なだれの規模の大きさに思いをはせることになりました。これまでの調査に基づいて近く論文がまとめられる予定とのことですので詳細についてはそれを待ちたいと思います。

これまでにも何ヵ所もの調査現場の見学をしてまいりましたが、場所により地層の状態は全くことなることを目の当たりにし、こうした調査の有用性と意義深さを実感しています。今後も調査は進められるそうですので、近い将来には浅間山の火山活動の経緯と今後について相当なレベルまで明らかになるであろうことが期待されます。