トレンチ堀削調査・小諸八満

浅間山火山研究の日本大学文理学部地球科学科教授の安井真也先生(火山地質学)が進めておられるトレンチ堀削調査の本年第2回目(通算29回目)が小諸市八満の民家が点在する山林にて8月27、28日に行われました。

小諸市八満のトレンチ

これまで28回のトレンチ堀削調査が行われましたが、29回目となる今回の調査は意外にも小諸市での初めての調査とのことです。

約5mの深さまで堀削された縦穴断面
2つの軽石流層の間に存在する黒色土壌

最上部の黒色土壌の下には仏岩火山噴火による小諸第2軽石流層とその下の小諸第1軽石流層とみられる共に1mを超える分厚い軽石流層が積み重なっており、それら2つの軽石流層の間には約5㎝の厚みの黒色土壌がありました。また第一軽石流層の下部には角が取れた数センチから数十センチの玉石が多数みられました。黒色土壌は炭素を含む成分が含まれているため炭素同位体年代測定を試みられるとのことです。

今回のトレンチ内にはここ小諸市八満からほど近い軽井沢町追分や御代田町を中心に広く分布する黒色の焼石(俗にいう浅間石)が多数含まれる追分火砕流層が存在していないこと、つまり浅間山の火山活動の影響がみられないことは大変意外に感じられました。

見学者に解説を行う安井教授

今後は軽井沢町発地にて第30回目となるトレンチ堀削調査が行われる予定とのことです。

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